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ゆくゆくは有へと

おかゆ/オカ∃/大鹿有生/彼ノ∅有生 の雑記

REAとRELについて

モユネ分類のREA, それからSe氏の提案するRELについてのまとめ的雑記。

RELの提案はこの記事によって行われた:

現実が出来たのと同じ過程で作られる人工言語のこと。
その人工言語が存在する世界を作り、宇宙を作り、星を作り、知的生命体が生まれる歴史を科学的に構築し、彼らが言語を使い始める過程を作る。彼らをその星の風土(土地)に広げ、文明を築かせ、文化を作らせる。その世界に言語は複数生じ、交易や戦争などで互いに影響を与える。このような、現実と同じ手続きでできた人工言語のことをReallangと言う。そして2015現在Reallangは無い。RELにおいては音素ひとつとっても人工言語作者の恣意によって決めてはならない。
RELにおいては音素も何もかも、あらゆる要素は自然と決まるものである。例えば地球では「アフリカから遠いほど音素が減る」というのがあり、ポリネシアの言語は音素がしばしば少ない。ポリネシアの音素の少なさは人工言語作者が決めたものでなく、自然と決まったものである。このようにあらゆる要素が決めるものではなく決まるものでなければリアルではない。Reallangを一人が80年足らずの寿命で作れるとは考えづらい。作業量が膨大すぎるからである。リアリティと作り込みという点においては究極の言語と言えるだろう。

 言ってみれば、超人工言語のようなもので、リアリティの点でいえば、リアルそのもの、究極の con-nat-lang ということになると思う。conatlang ... ココナッツ? Reallang, REL はモユネ分類のREAと語が似ていて紛らわしいので、以下では「ultimate con-nat-lang」ということで、UCNL と呼ぶことにする。

これが人工言語なのかどうか、というのは議論のできるところだと思う。人工言語は一般には現実にある言語なるものを(広い意味で)参考にしてつくられた、創作的「言語なるもの」である。UCNLはどうかといえば、これの制作において(広い意味で)参考にしているのは言語なるものではなく、言語現象なるものだと思う。この観点でいえば、RELというのは人工言語の分類素性ではなくて、人工・言語現象のそれにあたる。

上の記事から色々とSe氏はReallangの実現可能性について考察しており、それから、しばらくして、新たにSe氏が UCNLについて投稿した。

conlinguistics.org

ReallangはREA(Real Language)とREL(Realistic Language)がある。REAについては既に述べたもので、制作不可能で、例はない。一方、世界の成り立ちからできるだけ定義し、ある星に知的生命体が生まれ、彼らが言語を生み出すところ、またそれ以降の歴史までをできるだけ定義した人工言語のことをRELという。

すると必然的にRELは+PRI(アプリオリ)であり、+PRIな人工世界を持っていることになる。NATURALは±PRIで、±IMGである。現実の自然言語のような人工言語をNATと呼ぶにすぎない。したがってREL⊂NATという式ができる。またRELはArtlangの下位区分である。
アルカや凪霧はNAT→RELに変化した言語で、これから私が作るfiilia語などは初めからRELとして作られる。

◆RELとREAの違い

作り方の過程は同じ。REAはその過程のすべての要素を定義(シミュレート)する必要がある。RELは+Tで-A(非恣意)であることはREAと同じだが、世界のすべての要素は定義しなくてよく、設定に矛盾が出ない範囲で出来るだけ現実的であるかのように精巧に作られ定義される。
喩えるなら、REAが写真なら、RELは精巧な写実主義の絵である。

「ReallangはREA(Real Language)とREL(Realistic Language)がある。」とあるが、Se氏は初めの記事で Reallang のモユネ分類タグのことを REL と定義したので、Se氏の一連の提案である Reallang と、REA は何の関連もない。彼が2つの記事の間にどのような思考の変遷を辿ったのかは分からないが、恐らく、当初の強いUCNL志向に REL を割り当て、上で述べてあるような弱いUCNL志向に勝手に REA を割り当て直したのだと思う。さしあたり、「純粋にUCNL」と「妥協したUCNL」とでも名づけてやって、PUCNL (pure UCNL)、 CUCNL (compromised UCNL) とでもしておこう。とすると、上の『Reallang再考』において、REAと呼んでいるものは今まで一連の考察の文脈を察するに PUCNL のことであり、RELと(暗黙に)呼び直されているものは CUCNL のことだろう。

一方で、REA はモユネ分類において次のように定義されたタグである:

REA: Real World; それは現実世界で使用されることを志向する。
IMG: Imaginary World; それは想像世界で使用されることを志向する。

 REAはIMGとの対として意味を理解すべきであって、この2つのタグは「言語がどのように作られるか」を述べるものではなく、せいぜい「その言語がどう使われてほしいか」を述べたタグである。「現実世界で使用されているような言語を模倣しようと努める」のではなく、むしろ non IMG である ― その言語の背景に架空の世界は特段設定されていない ― ということを言っているのが REA である。恐らく、「現実世界で使用される」というフレーズの解釈の幅(「現実世界で使用されているような」と解釈できること)が以上の混乱を招いたのだと思われる。「生身の人間ども使っちくり~~~」というのが REA の大まかな意味合いだろう。

余談だが、個人的には CUCNL タグと NAT タグは本質的に同じことを志向しているものだと感じる。Se氏と私とで NAT に対する意識が違うのかもしれない。