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ゆくゆくは有へと

おかゆ/オカ∃/大鹿有生/彼ノ∅有生 の雑記

xorban

xorban.wordpress.com

xorban というMike.Sによってデザインされた lojbanインスパイア系言語がある。

"a minimalist loglang" とあるので、結構オモシロそうだ。ということで、ここにメモを残すことにする。とはいえ、2012年で更新は止まっているし、期待はできそうにない。

# 音韻

公式ページに説明はないが、作者のブログに非公式な書き留めがあった。

Phonology | Mike's Loglang Blog 

これを参考にすると、基本的にロジバンと同じである。

ただし、半母音に y,w の字が与えられており、声門破裂音は q になっている。

また、アポストロフィは有声声門摩擦音か有声軟口蓋摩擦音(口の奥側での有声摩擦音)であり、h は試験語にのみ現れ、無声歯摩擦音である。

曖昧母音は表記せず、適宜入れろという感じらしい。

# 文法

Syntax

  • sentence := formula | CA # formula | WA
  • formula := CCA | ZU sentence* ZUKA | modifier # formula
  • modifier := NA | LA # formula
  • # (“parenthetical”) := (CA # formula | WA)*

「文は式、CA+#+式、WAのいずれかである」

「式はCCA、modifier+#+式、0以上の文列をZU..ZUKAで囲んだものである」

「modifierは、NA、LA+#+式のことである」

「# は、CA+式、WAの0個以上の連続のことである」?

 

syntaxで見たように、品詞は7つある。が、先に形態論をやっておく。

Morphology

  • stem := C C C* | q V? ( ( C | y | w ) V? )* q
  • desinence := V (k V)*
  • V := ( a | e | i | o | u ) ( ‘ V )?
  • C := b | c | d | f | g | j | k | l | m | n | p | r | s | t | v | x | z

xorbanの子音は b, c, d, f, g, j, k, l, m, n, p, r, s, t, v, x, z がある。多分ロジバンと同じ。

母音は a, e, i, o, u が基本であり、任意個の母音をアポストロフィを付して繋げられる。公式では母音列のことも V と表現してあるので注意。ここでは母音とは{a,e,i,o,u}のことであり、母音列とは V のこととする。 

活用語尾は母音列に任意個の "k V" を付したもの。

語幹は二重以上の子音列や、q で V? ( ( C | y | w ) V? )* を挟んだもの。q, y, w は VにもCにも登場しないのだが…これらは一体何ものだ。

Word Classes

  • ZU (“quote”):= z u
  • ZUKA (“unquote”):= z u k desinence
  • CCA (“atomic formula”):=  (stem y)* stem desinence
  • NA (“unary operator”):= ( b | f | d | m | n ) desinence
  • LA (“binary operator”):= ( l | r | s | x | j ) desinence
  • CA (“illocutionary operator”):= c desinence
  • WA (“interjection”):= w desinence

品詞は7つあり、ロジバンのようにそれぞれの品詞名は代表的な語のキャピタルで表すことにしているらしい。以下では、活用語尾がある場合は語幹だけ表す。

ZU は zu だけがあり、引用開始語。

ZUKA は {zuk-} を語幹とする語群であり、引用終了語。

CCAは原子式であり、yで繋いだ複数の語幹に活用語尾を付したもの。

NAは一項演算子であり、b/f/d/m/n を語幹とする単語である。

LAは二項演算子であり、l/r/s/x/j を語幹とする。

CAは発語内行為演算子であり、cを語幹とする。

WAは感動語であり、wを語幹とする。

 

以下では、品詞の各論をまとめる。

発語内行為演算子 CA

発語内行為については 言語行為 - Wikipedia を見てもらうとして、CAは発される式がどのような発語内行為を意図しているかを明示する。

統語論的には、# formula の前に1つだけ置くことができる。

  • ca : 宣言「私はここで~と宣言する」
  • ca'u : 不思議に思う「私は~なんだろうかと思う」
  • ca'i : 質問「私は~と質問する」
  • ce : 指示「私は(あなたが)~を実現してくれるよう指示する」
  • ce'a : 許可「私は~が実現するのを許可する」「~してもいい」
  • ce'e : 勧誘「私はぜひ~してほしい」
  • ce'i : 命令「私は~するよう命令する」
  • ce'o : 要求「私は~を要求する」
  • ce'u : 提案「私は~を提案する」
  • ci : 主張・assertive「私は~と主張する」
  • co : (聞き手、話者、話題などの)同定「私は~と同定する」
  • cu : 真偽疑問「私は~の真偽について問う」

変数

母音、母音列(形態論でいうところの V)は、いくつかの非束縛演算子を除いて、変数として扱われる。

説明が拙すぎて何を言ってるのかさっぱり分からなかったが、推測するに、二項演算子の一種である l- 演算子の活用語尾の母音の変数が暗黙に束縛される。"LA formula" は modifier なので、これを別のformulaに冠することができる。LAが取り込む formula は Lの活用語尾の母音変数の属性として解釈されるんだろう。

つまり、[a : F(a)] G(a) なら、la Fa Ga と書かれるんだろう。

  • a'a は la'a mslfa'a によって束縛される。
  • e'e は le'e rslfe'e によって束縛される。
  • o'e は lo'e smo'e によって束縛される。
  • a'e は la'e je mna'aka'e mne'e ka'e によって束縛される。
  • V'i は lV'i csna'ekV'i によって束縛される。

一項演算子 NA

modifierの1つ。 # formulaの前に置き、formula をなす。言い換えれば、# formulaの頭に複数個置くことができる。

  • na : 否定
  • ni : 断言・強調
  • nu : トートロジー。「いずれにせよ、~だ」
  • ni'u : "nu ..." よりは "ni ..." だ。「いずれにせよとまでは言わないが、そうだ」
  • ni'ukV : “V is rather …”, “V is … rather than not …”
  • bV : 動作主「Vが~を実現させた」
  • fV : 状態「Vが~における状態だ」
  • dV : 「Vは(定的に)~だ」「Vがその~だ」
  • mV : 「Vはいわゆる~だ」

ni'ukV は真剣に意味がわからない。

b/f/d/m- は母音変数を取って、式に登場する変数に対して修飾付けするんだろう。

二項演算子

LA は先程みた。式を1つ取って modifier になり、それを式に冠することで 式を生成する。結果として確かに二項演算子となる。

  • je : PもQも
  • ja : PかQの少なくともどちらか一方
  • ju : PもQも、同じ状態を構成している(同値か?)
  • jekV F1-V F2-V := la F1-a le F2-e gnmVkake「VはF1とF2の共通集合」
  • lV : ~であるようなもの V
  • sV : ~であるようないくつかのV(∃V: ~)
  • rV : ~であるようなすべてのV(∃V: ~)
  • xV : ~であるようなVが何なのか(間接疑問)

数字

数字の関わる命題は、接頭辞 nm- を数字列に冠して形成する。

0 n
1 p
2 d
3 tr
4 cf
5 gl
6 sk
7 zb
8 xt
9 vm

thousands separator: kc

 nmpa: a は1つ

nmpake: a は eのうちの1つ

nmda: a は2つ

nmdake: a は eのうちの2つ

nmtrcfa: a は34個

nmglskkca: a は56,000個

感想

まとめながら学んでみたけれど、厳密萌語をloglang化したような言語ですね。

語彙が全然公開されてないので使えやしない…内容語が全く見当たらなかった。

1つxorban文が書かれた記事を見つけたけど、内容語はロジバンのgismuの母音全部落としたものでした。ckule なら ckl- みたいな。サイトのサブタイトルも{la xorban je logji bangu} と読めるし、基本語彙はまじでロジバン丸パクリなのかも。

筆記言語としてならありかもしれないが、内容語の形態論が拙すぎるし、実用のことは全く考えられていないかなという印象。発語内行為演算子は発想としては面白いのだけど、すべて c ではじまるのは聞き間違いがやばそう。

ロジバンもだけど、工学言語は機能語については聞き間違いに無頓着だよね?なんでなんだろう。

この頃ちょっとロジバンに嫌気が指していたので期待してたのだけどダメですね。ロジバンインスパイア系だとViku語が個人的には一番かもしれない。