エフェクターペダルには2つあるということに気づいた:
「アンプライク」と「アンプありき」だ
昔のエフェクターはほぼすべて「アンプありき」に分類していいと思う。「アンプに機能を足す」と言ってもいい。
昔は大抵のアンプは真空管アンプで、「アンプの音はそもそも割といい」というのがあったはずで、
その上で「でもあまり歪まない」とか「空間系がな」という課題が発生して、それに対応したのが昔のエフェクターなんだと思う。
いずれにせよ、そのトーンはあくまで良い真空管アンプで鳴らすのを前提としていて、根本の音作りはアンプによってなされるという想定がある。
一方で、最近はソリッドステートアンプが(家庭なら)ほぼ主流で、良くも悪くも「フラット」な音が出るようになった。
でもギターってそもそも「フラットなトーン」だと「ダサい」音なんだよな。ミドルが変に突き出てて、音楽的じゃないというか。
だから、昔のエフェクターを今の(よくも悪くも)素直なアンプにつなげても、「アンプが仕事をしてない」分、変な音になる。
昔は「アンプも楽器」だったが、いまは、アンプは単なる「電気信号を音に変換するインタフェースデバイス」になりつつある。
そうなると、アンプではないところ、エフェクターの段階で「音楽的なトーン」を作り上げる必要が出てくるわけで、そりゃ「アンプライク」が台頭してくるのは当然になる。
ここでいう「音楽的なトーン」は乱暴に言えば、「ドンシャリ」のことだ。
昔はアンプがドンシャリにしてくれていたが、今はアンプがフラットになってしまって、相対的に「ミドルが出過ぎ」な設計になっている。
だから、「アンプライク」なエフェクターは自身で音を「ドンシャリ」にする必要が出てくる。そうするとユーザーが嬉しいからね。
話を戻すと、エフェクターには2つ種類があって、
- アンプ(あるいはその先のプリアンプペダル)によって「ドンシャリ」を想定した上で、歪ませたりミドルをちょっと持ち上げたりするペダル
- 自身で音楽のトーンに仕上げようとするペダル。つまり、音を「ドンシャリ」気味にするペダル
というわけだ。TS系のミドルのもちあがりを「気持ちいい」と感じるためには、ドンシャリのアンプトーンがなくてはならない。