ゆくゆくは有へと

おかゆ/彼ノ∅有生 の雑記

エフェクターペダルには2つある

エフェクターペダルには2つあるということに気づいた:

「アンプライク」と「アンプありき」だ

昔のエフェクターはほぼすべて「アンプありき」に分類していいと思う。「アンプに機能を足す」と言ってもいい。

昔は大抵のアンプは真空管アンプで、「アンプの音はそもそも割といい」というのがあったはずで、

その上で「でもあまり歪まない」とか「空間系がな」という課題が発生して、それに対応したのが昔のエフェクターなんだと思う。

いずれにせよ、そのトーンはあくまで良い真空管アンプで鳴らすのを前提としていて、根本の音作りはアンプによってなされるという想定がある。

一方で、最近はソリッドステートアンプが(家庭なら)ほぼ主流で、良くも悪くも「フラット」な音が出るようになった。

でもギターってそもそも「フラットなトーン」だと「ダサい」音なんだよな。ミドルが変に突き出てて、音楽的じゃないというか。

だから、昔のエフェクターを今の(よくも悪くも)素直なアンプにつなげても、「アンプが仕事をしてない」分、変な音になる。

昔は「アンプも楽器」だったが、いまは、アンプは単なる「電気信号を音に変換するインタフェースデバイス」になりつつある。

そうなると、アンプではないところ、エフェクターの段階で「音楽的なトーン」を作り上げる必要が出てくるわけで、そりゃ「アンプライク」が台頭してくるのは当然になる。

ここでいう「音楽的なトーン」は乱暴に言えば、「ドンシャリ」のことだ。

昔はアンプがドンシャリにしてくれていたが、今はアンプがフラットになってしまって、相対的に「ミドルが出過ぎ」な設計になっている。

だから、「アンプライク」なエフェクターは自身で音を「ドンシャリ」にする必要が出てくる。そうするとユーザーが嬉しいからね。

話を戻すと、エフェクターには2つ種類があって、

  • アンプ(あるいはその先のプリアンプペダル)によって「ドンシャリ」を想定した上で、歪ませたりミドルをちょっと持ち上げたりするペダル
  • 自身で音楽のトーンに仕上げようとするペダル。つまり、音を「ドンシャリ」気味にするペダル

というわけだ。TS系のミドルのもちあがりを「気持ちいい」と感じるためには、ドンシャリのアンプトーンがなくてはならない。

単語長分布シミュレーションのツイート

iuk.hateblo.jp

gist.github.com

バイポーラトランジスタのエミッタ接地増幅回路に関する諸計算

ほぼメモ。随時更新の形をとっています。

BJTのエミッタ接地増幅回路における直流・交流それぞれのゲイン、また、交流増幅のヘッドルームを計算する。

多くの増幅回路で、エミッタ抵抗に並列でコンデンサをつなげて交流的に接地することが多いので、それを考慮した計算を行う。

ネットでこの類の計算を見つけられなかったので自力で計算した。

※追記:近いことを書いているサイトを見つけた。

http://doku.bimyo.jp/bipoler/

計算

f:id:waraby0ginger:20190503192607p:plain

直流成分。


\overline{V_i}^{*} = \overline{V_i} - V_{be}^{sat} = (R_b + (1+\beta)R_e) \overline{I_b}

交流成分。


\Delta V_i = (R_b^{\Delta} + (1+\beta)R_e^{\Delta}) \Delta I_b

ここで仮定として、直流バイアスを十分にとり、ベースエミッタ間の順方向電圧は直流成分のみでまかなえるとしている。


V_o = V_p - \beta R_c \overline{I_b} - \beta R_c^{\Delta} \Delta I_b = V_p - g \overline{V_i}^{*} - g^{\Delta} \Delta V_i

ここで、


g = \frac{\beta R_c }{R_b + (1+\beta) R_e}

 g^\Deltaも交流成分として同様に定義される。

 \overline{V_o} := V_p - g \overline{V_i}^{*} が直流バイアスによる出力電圧の中心点であることに注意。

また、交流によるゲインは -g^\Deltaである。

さて、コレクタエミッタ間電圧については、


V_p - V_{ce} = (\beta R_c + (1+\beta) R_e) \overline{I_b} + (\beta R_c^{\Delta} + (1+\beta) R_e^{\Delta}) \Delta I_b = \epsilon \overline{V_i}^{*} + \epsilon^{\Delta} \Delta V_i

ここで、


\epsilon = \frac{\beta R_c + (1+\beta) R_e}{R_b + (1+\beta)R_e} = \frac{g}{\alpha}


\alpha = \frac{\beta R_c}{\beta R_c + (1+\beta) R_e}

である。これより、


\frac{\alpha^\Delta}{\alpha} \left( \alpha (V_p - V_{ce}^{sat}) - g \overline{V_i}^{*} \right) \geq g^{\Delta} \Delta V_i


\frac{\alpha^\Delta}{\alpha} \left(  \overline{V_o} - ((1-\alpha) V_p + \alpha V_{ce}^{sat}) \right) \geq g^{\Delta} \Delta V_i

\overline{V_o} - ((1-\alpha) V_p + \alpha V_{ce}^{sat}) は、

直流成分の出力点と最小出力電圧  \overline{V_{o, \mathrm{min}}} までの範囲を表している。

これを踏まえて、交流成分における最小出力電圧(負側の最大)は直流成分における範囲の \frac{\alpha^\Delta}{\alpha}倍となる。


R_b^{(\Delta)} = R_c^{(\Delta)} = R_e = 1 \mathrm{k \Omega}


R_e^{\Delta} = 20 \mathrm{\Omega}


\beta = 200, V_p=10 \mathrm{V}, V_{ce}^{sat}=0.1 \mathrm{V}

このとき、各パラメータは


g \approx 1, g^{\Delta} \approx 40


\alpha  \approx 0.5, \alpha^{\Delta} \approx 1

直流成分での下限値は


(1-\alpha) V_p + \alpha V_{ce}^{sat} = 0.5 \cdot 10 + 1.0 \cdot 0.1 \approx 5 \mathrm{V}

 \alpha^{\Delta} / \alpha = 2 なので、バイアス点を X とすれば、出力電圧範囲は

 X - 2(X-5) から  V_p=10 \mathrm{V} までになる。

入力信号を正側最大値と負側最大値が等しいようなものとすると、

上側範囲は 10-Xであり、下側範囲は 2(X-5)であるから、

 X= 20/3 = 6.7 \mathrm{V}のとき、もっともヘッドルームが広くなる(片側  10/3 = 3.3 \mathrm{V}

交流ゲイン  g^{\Delta} = 40 であるから、最適バイアス時における入力上限は \pm 1/12 \mathrm{V} = \pm 83 \mathrm{mV}である。

最適バイアス点の一般化

上の例で計算した最適バイアス点を一般化しておく。

正側最大値と負側最大値が等しいような信号入力(正弦波など)の増幅において、

上側範囲は V_p - \overline{V_o}であり、下側範囲は \frac{\alpha^{\Delta}}{\alpha} \left(\overline{V_o} - \overline{V_{o, min}} \right)であるから、

最適バイアス点はその中点であり、


\overline{V_o} = \frac{\alpha}{\alpha^{\Delta} + \alpha} \left(V_p + \frac{\alpha^{\Delta}}{\alpha} \overline{V_{o, min}} \right)

になる。

もちろん、正側の最大値と負側の最大値が等しくないような波形の場合は、さらに適切なバイアス点があるが、一般性に欠けるため、そのような場合は別途チューニングしていくべきだ。方針としては、正側と負側の最大値の比を保つように上側・下側の範囲を決めてやれば良い(位相が反転するのに留意すること)。

補足:分圧回路を用いた場合

f:id:waraby0ginger:20190503193656p:plain

普通、バイアスをかけるときは電源電圧から分圧してベースに流す。

この場合の R_bは分圧回路に用いた2つの抵抗の並列和になる。

直観的には、分圧回路の出力インピーダンスがまさにその値であるので、ベースから見ると、その値の抵抗があるように見える。

愚直に計算してもいいが…、せっかく入出力インピーダンスの概念を開発しているので、わざわざやる必要も…ないよね?

交流回路については?

ベースからみると、このような構成における  R_b^{\Delta}は、 C_1, R_1, R_2 の並列になる。

 R_b = R_1 // R_2 であるので、 R_b^{\Delta} R_bにさらにコンデンサを並列でつないだものになるとも言える。

もちろんこれも分圧回路の出力インピーダンスから明らか。

補足すれば、交流成分については C_1 R_1 // R_2 によってハイパスフィルタが形成されている。

最適なバイアス点をとったときの定格出力範囲、入力範囲

上述の議論から、最適なバイアス点は


\overline{V_o} = \frac{\alpha}{\alpha^{\Delta} + \alpha} \left(V_p + \frac{\alpha^{\Delta}}{\alpha} \overline{V_{o, min}} \right)

となる。このとき、上側範囲と下側範囲は等しくなり、その両者を合わせた範囲は、


\Delta V_{o, pp} = 2 \frac{\alpha \cdot \alpha^{\Delta}}{\alpha + \alpha^{\Delta}} V_p^{*} = 2(\alpha // \alpha^{\Delta}) V_p^{*}

になる。ここで、 V_p^{*} := V_p - V_{ce}^{sat} である。よって、入力範囲は


\Delta V_{i, pp} =  \frac{2(\alpha // \alpha^{\Delta})}{g^{\Delta}} V_p^{*}

となる。(ppは peak-to-peakを意味する)

g と αの関係

計算のみ示す。


g = \frac{\beta R_c}{R_b + (1+\beta) R_e} = \frac{\beta R_c}{R_b -\beta R_c +\beta R_c + (1+\beta) R_e}


= \frac{\alpha}{1-(1-\frac{R_b}{\beta R_c})\alpha} = \frac{\alpha}{1-\lambda \alpha}

ここで、 \lambda := 1- \frac{R_b}{\beta R_c}である。 \lambda^{\Delta}も同様に交流的に定義される。

たいていの場合、 \lambda \approx 1 - \frac{1}{\beta}である。

λ, g, αについて

念の為、3つのパラメータの関係について書いておくと、


g = \frac{\alpha}{1-\lambda \alpha}

より、


\lambda = \frac{1}{\alpha} - \frac{1}{g}

である。

バイアス最適点の入出力範囲における安定性

実用では、バイアス最適点をいついかなるときも実現できるとは限らず、そこから少しズレた点でバイアスがかかるときがほとんどである。

最適点での入出力範囲がいかに優秀であっても、そこから少しズレた途端に極端に悪化するような設計は避けるべき。

というわけで、バイアス最適点  \overline{V_{i, optimal}} に対して、[\delta v]ズレたバイアスにおける入出力範囲の変化をみると、


\delta \Delta V_{o, \mathrm{above}} = -g \delta v


\delta \Delta V_{o, \mathrm{below}} = \frac{\alpha^{\Delta}}{\alpha} g \delta v

特に、下側範囲について、その絶対値をみると、


|\delta \Delta V_{o, \mathrm{below}}| = \frac{\alpha^{\Delta}}{\alpha} g \delta v \leq \frac{g}{\alpha} \delta v = (1+\lambda g) \delta v

ここで、


\alpha = \frac{g}{1+\lambda g}

を用いた。大抵の場合、 \lambda \approx 1 であるから、


|\delta \Delta V_{o, \mathrm{below}}| \leq (1+g) \delta v

であることが分かる。

概ね、入力バイアス電圧のズレに対して、上側・下側それぞれ g倍, 1+g倍だけ範囲がズレると考えるとよい。

ちなみに、バイアス電圧自体のズレはもちろんのこと、環境によるベースエミッタ飽和電圧の変化もこれで対応できる。

さらに現実的な話をすると、エミッタ抵抗にコンデンサを並列でつける場合、周波数によって最適バイアス点が少しずつズレていくので、その考慮も…と考えると結構馬鹿にならないパラメータである。

いずれにせよ、 gが支配的に効いてくる量なので、DC電圧の増幅度はできるだけ低めに設定したほうがいいことが分かる。

最適バイアス時の定格入出力範囲の関係

再掲する。


\Delta V_{o, pp} = 2 \frac{\alpha \cdot \alpha^{\Delta}}{\alpha + \alpha^{\Delta}} V_p^{*} = 2(\alpha // \alpha^{\Delta}) V_p^{*}


\Delta V_{i, pp} =  \frac{2(\alpha // \alpha^{\Delta})}{g^{\Delta}} V_p^{*}

ここで、 g =  \frac{\alpha}{1-\lambda \alpha}の関係を用いて整理すると、


\Delta V_{i, pp} =  \frac{2(\alpha // \alpha^{\Delta})}{g^{\Delta}} V_p^{*} = 2 \frac{\alpha}{\alpha + \alpha^{\Delta}} (1 - \lambda^{\Delta} \alpha^{\Delta})V_p^{*}


= 2 \frac{\alpha}{\alpha + \alpha^{\Delta}} V_p^{*} - \lambda^{\Delta} \Delta V_{o, pp}

よって、入出力範囲について次の関係がなりたつ:


\Delta V_{i, pp} + \lambda^{\Delta} \Delta V_{o, pp} = 2 \frac{\alpha}{\alpha + \alpha^{\Delta}} V_p^{*}

特に、 \lambda^{\Delta} \approx 1 かつ、 \alpha = \alpha^{\Delta} のとき、入出力範囲の和が V_p^{*} で保存する。

そこで、 V_p^{*}に対する \Delta V_{i, pp}, \Delta V_{o, pp}の比をそれぞれ x_i, x_oとすると


x_o = \frac{1}{\lambda^{\Delta}} \left( \frac{2 \alpha}{\alpha + \alpha^{\Delta}} - x_i \right)

増幅回路の設計ではこれを最大化するような \alpha^{(\Delta)}, \lambda^{\Delta}を求める必要がある。

ラムダの項を展開して、


x_o = \frac{g^{\Delta} \alpha^{\Delta}}{g^{\Delta} - \alpha^{\Delta}} \left( \frac{2 \alpha}{\alpha + \alpha^{\Delta}} - x_i \right)

について考えてもよい。

先の議論でもあった通り、実際には最適バイアス点の安定性についての考慮も必要である。結局、直流成分のパラメータはその安定性の確保のため自由が効かない。・・・つまり \alphaだ。

典型な場合

典型的な \beta, R_bにおいては、 \lambda \approx 1 であるから、


\alpha = \frac{g}{1+g}

あるいは


g = \frac{\alpha}{1-\alpha}

である。交流ゲインをできるだけ稼ぐ場合、 \alpha^{\Delta} \approx 1 になる。そうすると:


x_o \approx \frac{g^{\Delta}}{g^{\Delta} - 1} \left( \frac{2 \alpha}{\alpha + 1} - x_i \right) \approx \left( \frac{2 \alpha}{\alpha + 1} - x_i \right)

 \alpha はできるだけ高いほうがいいが、これを高くすると安定性が悪くなるというトレードオフがある。

たとえば、 g = 3くらいにしてみると、 \alpha = \frac{3}{4} であるから、


x_o \approx\frac{6}{7} - x_i

になる。たとえば、 V_p^{*} = 10 \mathrm{V} で、 \Delta V_{i, pp} = 1.5 \mathrm{V} とすれば、 x_i = 0.15 なので、


x_o \approx 0.857 - 0.15 = 0.6

6 V になる。ただし、安定性確保のために、バイアス変化±0.1Vを吸収するために、0.6Vだけ差っ引いて 5.4 V が実質的な範囲になる。ゲインは3.6倍程度になる。

 g = 1 にすると、 \alpha = \frac{1}{2} になるため、 x_o = \frac{2}{3} - 0.15 = 0.51 であるから、今の条件では出力範囲は 4.9 V になってさらに悪化する。安定性のことを考えれば、単純に悪化…とは言えないが。

何が悪いのか?という話

今の例では、交流に関してはほぼMAXのゲイン、およそ g^{\Delta} \approx \betaであった。…が、実際には数倍のゲインになってしまっている。

これはどういうことかといえば…、いや、まさにMAXのゲインにしてしまったがために、早々にサチってしまっていると考えたほうがいいだろう。

外部電源が 10V で、入力電圧が 1.5Vpp なら、せいぜい 6.6倍程度のゲインが稼げたら十分なわけで。

・・・というわけで、 g^{\Delta} = 6.5 でやってみよう。 \alpha^{\Delta} = 0.87 なので、 g = 3とすると、 \alpha = 0.75より


x_o = \frac{6.5 \cdot 0.87}{6.5 - 0.87} \left( \frac{1.5}{0.75 + 0.87} - 0.15 \right) = 1.0 \cdot (0.926 - 0.15) = 0.776

となるので、出力範囲は 7.7V、マージンをとれば 7.1 V となり、4.7倍くらいのゲインになる。さっきよりも改善した。

フィルタ回路の接続に関する注意

単純なRCローパスフィルタ、それを2つ繋げた複合フィルタ回路の話。

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out2 が単純なRCローパスフィルタ。念の為書いておくと、カットオフ周波数は


f_c = \frac{1}{2\pi R C}

である。計算実用上のことを考えると、R を kΩ単位、C を μF 単位として、


f_c \fallingdotseq \frac{160}{RC}

で覚えておくとよい。というわけで、out2 のカットオフ周波数は 1kHz。

周波数のゲイン特性を載せます:

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カットオフ周波数の1kHz以前では水平線、それ以降は -6dB/Oct の勾配でゲインが下がっていくのが分かります。

ちなみに、この水平線と、-6dB/Oct の直線の交点がちょうどカットオフ周波数になります*1。 実際はちょうどカットオフ周波数のところでカクッといきなり勾配が変わらず、滑らかに推移するゆえに鈍るので、 結果として、カットオフ周波数の点ではゲインは少し下がって -3dB になります。厳密には  20 \log{\frac{1}{\sqrt{2}}}

で。

この回路を単純に2つ繋げると、カットオフ周波数 1kHz で、勾配が2倍の -12 dB/Oct になりそうだと予想できる。それがout1である。

で、実際にシミュレーションしてみると、確かに勾配が -12dB/Oct になっており、単一での使用よりも急速にハイが落ちるようになっている。

ただし、カットオフ周波数まわりの鈍り方を見てみると、out1out2では少し様子が違う。

これは、ローパスフィルタ回路の入出力インピーダンスのせいだ。

一般に、インピーダンス  Z_1, Z_2で構成される分圧回路(out2回路もこれのひとつ)の入出力インピーダンスは、


Z_{input} = Z_1 + Z_2


Z_{output} = Z_1 // Z_2 =\frac{Z_1 Z_2}{Z_1 + Z_2}

となる。 // は並列和を表す。

理想的な入出力インピーダンス*2をもってなければ、入出力インピーダンス由来の分圧によって電圧のロスが生じる。

つまり、単に2つのローパスフィルタ回路の特性に加えてout3回路によって生じる分圧も勘案しなければならない。

ゲイン特性図のout3を見てみると、カットオフ周波数付近で少しゲインが下がっているのが分かる。これが「鈍り」の原因。

おわり。

・・・・といきたいんだが、本当に大事なのは「この入出力インピーダンスのゲイン特性への影響は手計算で概算できんのか?」という話である。これのために最近は苦戦している・・・・・・・・。

*1:Octはオクターブ。-6dB/Octは、周波数が2倍になるとゲインは-6dB変わるということ。

*2:入力インピーダンスなら∞、出力インピーダンスなら0が理想

CircuitLabの会員になった

CircuitLab

www.circuitlab.com

電気回路図を書いたり、その回路のシミュレーションをウェブブラウザ上で行えるサービス。モダンだね。

Freeでも少しは使えるらしいが、まともに回路図を書いていきたかったり、 シミュレーションを積極的に使っていきたいなら会員になるのがよい

どうしても無料でやりたいのであれば昔ながらのLTSpiceがある。
とはいえ、UIもこっちのほうが直観的で電気回路を組むのに集中できるし、お金出す価値はあるなと思った。

www.circuitlab.com

最も安いプランが「Micro」で、年間24ドル。ただし、1回路図に使えるパーツが30個までという制限がある。

その次に安いのが「Hacker Lite」で月16ドルか年79ドル。Microであったパーツ個数制限がなくなる。

それより上のプランは何が違うかというと

  • アクセス・コントロール・リストのカスタム
  • 回路図の編集履歴が使用可能に
  • 商業利用化
  • 24時間サポート

がつくらしい。回路図の編集履歴は結構ほしいけど、月10ドル、年50ドル多めに払うかと言われればかなり悩む。

とりあえず Hacker Liteに加入することにした。単に電気回路学習に使うのであれば Microで十分かもしれない。

Expressions

メモがわりにリンクをはっておく。

www.circuitlab.com

2018年金銭的懺悔~音楽機材編~

今年もアドベントカレンダーには参加できないだろうし、個人的な思い出を書こう。

今年は結構音楽機材にお金を放り投げた一年でしたね・・・。

※ちなみに一回下書き消えました。

1月くらい

FGN テレキャスター JTL6M CAR

store.shimamura.co.jp

「今の生活に足りないのはロックだ、オーバードライブだ」と何かをみて気づいてギターを買おうと。

何を見て(聞いて)そう思ったんだろう、石風呂か、コンテンポラリーな生活か、ネクライトーキーか。いずれにせよ朝日さんな気がする。

くらいの理由でテレキャスターを探す。最初は徒歩五分のリサイクルショップから始まり、最終的には梅田の島村楽器にお世話になった。

赤いテレキャスター。さいこうですね!

テレキャスターといえば赤色ってずっと思ってたんだけど、なんかいざ周り見渡すと全然そんなことないね。どこ由来なんだ、このステレオタイプは…。

あとは、中古で VOXの miniなんとかいうのを 5000円くらいで買って、しばらくはこれにお世話になった。

たぶんこれかな。

もう少しいうと、そのあと iRig(iPhoneにつないで録音できるやつ)を買ったり、ArionのODをリサイクルショップで買ったりもした。

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iRigは何も機材なかった当時はこれ繋ぐだけで iPhoneに録音できるんだから「すご!!」ってなった。けど、ちゃんと録音したいならもう少しグレード高いの買うほうがいいかもしんないね。ちょっとノイズ大きかった気もする。

ArionのODについては、VOXアンプの歪みが気に入らなくて、「やっぱちゃんと単体のエフェクタ買うほうがいいんかな、でも金ないしな」と思って、リサイクルショップでたまたま見かけたやつを買っただけで、全くレビューとかも見ずに購入。20分で飽きちゃった…(これには理由があって、このとき、おかゆという人間は、「歪みエフェクター=RAT2くらい歪む」という間違った認識をもっていたのだ。今思うと普通にODエフェクタだったのかも。もう一回弾き直してみたい)

※ 今ポルカドットスティングレイのMV見返してたら、シンラインとデラックスだから全然「THE シングルコイル」じゃなかったねワロタ

6月ごろ

仕事関係で引っ越しまして、近所のイオンモール島村楽器にバチクソお世話になる。

Iさんお世話になりました。買ったものは基本エフェクターで:

  • BOSS ST-2
  • ZOOM MS-70CDR
  • MOOER GE200

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など。

このときはアンプは依然VOXのままで、歪が気に入らなかった時期。

ST-2は「マーシャルの音がほしい」って言ったらおすすめされた。確かによかった!(当時は・・・)

そのあと、空間系ほしいな~ということでZOOMのMS-70CDR買ったりして、当分はエフェクターはいらんかなという気分になったんだけど、

9月でお世話になってた店員Iさんがどっか行っちゃうとのことで、餞別として MOOER のGE200買ったんですよね(気が舞い上がっている)。

ただこれは本当にいい買い物だったと思う。今も使ってるし。基本はGE200にヘッドホンつないでそこで練習してますからね。

11月ごろ

仕事の関係で数ヶ月ほど滋賀に引っ越し。このときに実家に置いていたレスポールスペシャルとRAT2を復活させる。PU90の音がほしくなった!

レスポスペテレキャスターとRAT2、そしてGE200と、MS-70CDRと。こういう状況でしたね。

余談

RAT2を復活させて、ST-2に物足りなさを感じる頃。ST-2の箱鳴り感がどうもしっくり来なかった。

というか、自分にとってRAT2の歪み方があまりに馴染み深すぎて、悪いとかじゃないね、旧友には勝てないというそれだけのことだった。

はなしをもどす

GE200の歪みエフェクターモデリングのなかに、GT-500のモデリングがあって、それがめちゃくちゃ好みの歪み方でした(きめがとてもこまかい)

これはRATとも違ってて(!)、いやこれの本物の音がめちゃくちゃ気になると思って梅田に駆り出す。

どこにもない!!!!!!!!!!!!!!

結構古い機種らしく、もうなんかどこにもないんだってね。島村楽器梅田店にまたもやお世話になる。副店長ありがとう。

かくかくしかじかを伝えて、親切にもいろんなエフェクターを試させてもらうことに。ほんと色々試した。人生でいちばん試した。

いろいろ教えてもらって勉強して、「よく歪むTS系が好きなんちゃう?」というひとつの結論に。

で買ったのが結局、TRIALの Smart. OD:

実際問題、TS系歪みってだけなら 同メーカーのPockeTSでもよかったんですけど:

Openモードのレスポンスの高さにベタぼれしてしまった。

マルチエフェクターでもないものに5万出すのは初体験すぎてめちゃくちゃ悩んだけど結局買った。

主な理由は「たぶん最終的にぼくはいつかこれを買うはめになる」でした。それなら今買おうと。何も間違ってないな!

この子はもちろんスタメンですが、惜しいことに、でかいアンプじゃないと本気出してくれないのでふだんは鼻くそほじってやがりますね。

・・・

この件があってから本格的にエフェクターにハマってしまったなという感じがある。

いっぱい買うとかではなく、レビューとかめちゃくちゃ見始めたし、The EFFECTOR BOOKを読み漁ったりしている。

その延長線上で benimaruさんにYoutubeで出会って、すっかり今では信者ですね!!

と、それで追加で買ったエフェクター

  • JOYO Sweet Baby Overdrive JF-36
  • Effects Bakery French Bread Delay
  • Tom'sline Engineering BLACK TEETH

上ふたつは完全にbenimaruさん影響。

youtu.be

youtu.be

このふたつ、まじで安いのにめっちゃ使いやすくて、いまはスタメン。

3つ目は「RAT系でも他のものを知るべきでは?」と思って買ったもの。確かにRAT、だけどちょっとしっとりしすぎていた。

RATってやっぱり乾いていてこそじゃないか?と学べたのでいい勉強代でした(スタメンならず)

さいきん

さて。ここまではギターまわりだったんですが。

DTMもちょっと意識し始めて、

を最近買いました。相変わらずソフトは Studio One Primeですが。あ、あとヘッドホンも買ったな…。

・・・・と、まあ、こんな感じで、ようやっと歪みまわりが整ったんじゃないか?と。思いたいんですけど、も。

本題・金銭的懺悔

いくらや?

56000 5000 4000 2000 10000 10000 30000 4000 4000 4000 50000 9000 24000 10000 18000

SUM = 240000

24万かあ。結構使いましたね。立派な趣味ですわ……。

いま

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RATはいまはブースターとして使ってます。

RATのザリッとした感じと、絶妙なコンプ感をブースターとして拾い上げてやって、

歪みとしてはもう少し澄んだ、というかモダン?な音色の2つのエフェクタ(Smart. ODとSweet Honey)で。

この2つもかなり音色がちがうので、いいかんじに棲み分けてくれてて、気分と役割で鳴らし分ける感じです。

これから

まだ買うんかよ。大きく分けるとこんな感じかな

  • 歪みがほしい
  • まともな空間系がほしい
  • 変な音がほしい
  • ギターパーツがほしい
  • ギターがほしい

いちばん闇深そうなのは最後にもっていきました。

歪みがほしい

まだ買うんか!?と思うんですけど(ちゃんと思ってますよ!!)、やっぱ欲しいやつあるんですよね。

大きく分けると、

  1. Sweet Honey
  2. RAT系

の2つ。

Sweet Honey

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これはもうそのまま、本機がほしいな、と。

SH系のSweet Baby Overdriveでこんな好き!ってなってるんだから、本家はもっとしっくりくるんじゃないかなあと。

レスポンスが広いっていうのも魅力ですよね…。そういう有機的なエフェクタ大好き(使いこなせるとは言ってない)

RAT系

TS系はSmart. ODを買ってひとまず完成だろうと。RATは昔買ったRAT2のまま。進化できないか?と。

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とりあえず弾いてみたいなと思うのがこの4つ。

Mighty Red DistortionはかなりRATっぽくないとも聞いたんだけど、そのRATっぽくなさがハマることがあるかも?と。

アニマルズペダルはカワイイ。かわいくてRAT系なら試すべきでしょ。エフェクターも結局は顔やで!!!!!!!

で、なにげに一番気になっているのはREUSSのやつで、ケンタウロスの回路も搭載してるデュアルなエフェクター

ケンタウルスの音ってどっかで聞いたことあるなあとずっと思ってたんだけど、バンプのふたりが使ってるんやね。そりゃ聞いたことあるわ。

ジキルとハイドはTS系とRAT系のツインペダルらしい。ちょっと気になる。

最後の2つはこの記事書くために調べ物してたら見つけたのでとりあえず書きました。

今のRATの使い方はブースター、あるいはクリーンのときにも常時つけっぱなしするような浅いかけ方なので、

「RATのザリっとした感じを残しつつも、ちょっときめ細か目の歪みで、浅い歪み方」

みたいなのがあると一番好きかもしれない(果たしてそれはRATなのか?)

まともな空間系がほしい

とはいえ、これは割とFrench Bread Delayで満足してしまってるところがある。

空間系といったものの、ぼくのいちばん好きな空間系というのはディレイしかない。

  • MXR / Carbon Copy Delay

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あとは、テープエコー系のディレイがすごく気になる。benimaruさん信者なので……。

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変な音がほしい

これはですね、大きく分けると

  • 8bit fuzz
  • ring modulator

の2つです。共通していえるのは、角ばった波形のシンセみたいな音、とか、まあそのまんまですけど 8bit サウンドがほしい。

とはいえ、具体的にまだどれがいいのか全く分かっていない。

とりあえずほしいものリストに入ってた2つをあげておく:

誰か教えてください。

ギターパーツがほしい

単刀直入にいえばピックアップです!具体的にいえばテレキャスターのシングルコイルをハムバッカーにしたいなって。

シングルコイルのジャキジャキ感を残しつつ、太い音にしたいなと思ったことがあったんですよね。

でもシングルコイルのままで、もっといいシングルコイルのPUを乗せるとかのほうがいいかもしれない。

太い音は新しいギター(悪魔)に任せるとか。

ギターがほしい

最後。まとめようもないので、ひたすら貼ってはコメントを繰り返そう。ただその前に。

  • やっぱりデザイン
  • そろそろハムバッカーがほしい気もする
  • でもP90でいい気もするし、P90のほうが好きな音なのかもしれない
  • 今持ってるレスポールスペシャルモデルはネックが細くてちょっと弾き辛いときがある
  • テレキャスターシンライン、いいなと思ったバンドの音がだいたいそれ

くらいの気持ちでギターを探しています。とはいえ、結論から言うと、やっぱりハムバッカーそんな興味なさそう。

というわけで始めます。

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これは色に惚れました。めちゃくちゃカワイイ色…。めちゃくちゃ可愛くないですか??

ハムバッカーのテレキャスターで、この色合い。ハムバッカー搭載テレキャス買うならこれだな~と思っている。しかし高い。

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これもいい色ですね。ラスティラット。ヤマハのこの形ちょっと好きになってきた…。

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少し色味をかえて、ボーデングリーン。このシックな緑色、めちゃくちゃいいですよね。

これはしかもP90乗ってるっていうね。

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さて。グリーン繋がりでGretsch編。キャデラックグリーンがめっちゃいい色なんだこれが・・・。

ひとつ水色が混じってますが、この色もとてもいいですね。

グレッチ、かなりありやなと思ってるんですが、フィルタートロンPUに感動できるかどうかかなあ。

一応ハムバッカーですけどね!お?ハムバッカー欲しいとか言うてなかったか?と。

少し番外。

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Suproシリーズ。かっこいい。

自分が持ちたいかと言われるとすごく悩む。スーツ着て持ちたいね。

さて。

最後にシンラインを。いや、ついさっきいいの見つけたんですよ。

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P90PUのシンラインですよ。買えと言ってるようにしか思えない。

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シンラインでいくと、FGNのこの色もすごいキレイですね。木目の黒がめちゃくちゃいい。

おしまい

おわりです。長かったですね。来年もたくさんお金使いたいですね。

そういやアンプの話を全くしてなかったですね…。

それ関連でひとついうと、いまはGE200使ってるんですけど、この子の評判って歪み系アンプモデリングに起因してそうですね。

でも今はもっぱらクリーンアンプしか使ってなくてですね、それならもっといいアンプシミュとかあるんちゃうか?と思ったりするんですが、

そういうのがあるなら欲しい気もします。それでは。