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ゆくゆくは有へと

おかゆ/オカ∃/大鹿有生/彼ノ∅有生 の雑記

位相の思考メモ

とんちきなメモです。

トポロジー的な「となり」というのを点と点の関係として記述するのは少し勝手が悪い。

たとえば、というかここではもっぱらそういうものしか想定しないけど、ネットワークのトポロジーを考えたときに、当然ながら推移律は成り立たない。でも対称律はなりたつ。反射律についてはとりあえず保留。

で、推移律というのは結構使えるやつで、別に推移律でもなくてもいいんだけど、2つの関係があったときにそこから新しい関係を導けるような規則というのは間違いなく使える。

そこで、点と点の関係として「となり」を捉えるのではなくて、「となり」という概念を領域(集合)(の性質)で捉えることにしてみる。とはいえ、さっきと何か変わるわけでもなく、今のところ、ある集合が該当するとき、それは「その集合内の点は互いにとなり合わせだ」ということにする。これはかなり強い制約で、さっきの点と点の関係と同じ強さだ。グラフ理論のことばでいえば、今のところは「となり」という概念を完全な部分グラフとして理解しようとしている。

とはいえ、さっきの点と点の関係を、領域の性質として単純に読み替えただけなので、やっぱり推移律に相当する規則は存在しない。でも少しだけ進歩があって、「となり」という概念を理解するにあたって、脱焦点化(とでも言っておく)に成功した。構造の強さとしては今だに使い勝手は悪いものの、「となり」という概念を点から引き剥がせている。

でもやっぱりあの規則がほしい!今の文脈で言えば、2つの領域から新たに「となり」の性質をもつ1つの領域を生み出せるような規則がほしい。

「互いにとなり合わせだ」とせずに、それぞれの点において、隣であるような点を集めて、それを1つの領域として捉えたらどうだろう?このような領域は、「この集合内の点すべてと隣であるような点がある」ような領域になる。これもまあ1つの「となり」を捉えられている。その集合の任意の2点が隣だということではないが、少なくともその集合は内部に自身を全体とするような「隣接ネットワーク」を備えている。注意してほしいのは、さっきの素朴な2点の関係よりも幾ばくか構造が弱くなっている。ワンチャンあるかも?

とりあえず、内部に向かっての規則がつくれる。集合内の点すべてと隣であるような点が見つけ出せれば、それを含むような任意の部分集合はやはりそのような領域になる。それから、2つの集合の共通部分にそのような点があれば、その2つの集合の和集合はやはりそのような集合になる。でも、まだ点から逃れていない。それにこういう領域のとり方では本質的にどの点がそういう点なのかということを知ることはできない。

見方を変えよう。脱焦点化するには、逆にその集合のすべての点において言えることを性質として見いだせればよい。そう考えると、こうだ:「その集合内のどの点も、その中の少なくとも1点と隣関係にある」。これは間違いなくそうだろう。この性質を保持するような規則を考えてみると、任意のそのような2つの集合の和集合は、この性質を満たすことがわかる!ただし共通部分についてはそうはいかない。

もっとゆるい性質を考えよう。たとえば:「その集合に属するどの点も、隣となる点を(集合の内外を問わずどこかに)もつ」。これもギリギリ「となり」を捉えられている。「となり」というのを最初は2点の関係として捉えていたが、ここでは思い切って、点の性質とみなしているわけだ。このような性質は大抵のことに耐える。というか、「隣」という属性をもつ点の集合であるから、一般的な一項述語の外延的な集合になりたつことならなんでもなりたつ。

方向転換。そもそも「隣」関係にあることの必要条件ってなんだろう?と考えると、本質的に重要な1つの関係にぶち当たる。それはその2つの点が分離しているという条件だ。「隣にある」というと、第一印象として「2つは近いんだ」ということを感じがちだが、そもそもの前提として、「隣にある」といえるときはその2つは分離しているのだ。2点が「隣でない」というのは、その2つが遠いという印象だけでなく、もしかするとその2つは分離さえしていないと考える必要がある。

ただ、分離という用語を性質として使ってしまうと、その点がどんな点とも分離しているという風に感じとれてしまう。ここでいう分離というのはあくまで二項関係であることに注意してほしい。いっそ、逆に、「密着している」の否定としての関係と捉えるべきかもしれない。ある点が密着しているというと、それはすべての点と密着しているという印象よりも、何か他の点との関係を想起すると思う。

この「密着していない」という性質を、さきほどと同じく領域の性質として捉えることはできないか。と考えると、「まともな領域」というのは密着している2つの点を引き剥がすような線の引き方をしないように思える。と考えると、「密着していない」という概念を、「その集合内のどの点も、外部に密着した点をもたない」という性質として捉えられないだろうか。このような性質を保持するような規則について、和集合も共通部分もこの性質を保持するだろう。全体集合はこの性質を保持する。∅も然り。

この性質は、「その集合内のどの点も、その中の少なくとも1点と隣関係にある」という性質と結構似ている。でも異なる部分もある。それは、隣をもつ⇒非密着性だが、その逆は真でないことにもっぱらよる。全く誰とも隣関係にない中には密着した点もいないようなものがある。つまり、非常に離れたところにある点というものを、今議論している領域は含んでいてもよいのだ。

いまいちど注意しておくが、この領域はけっして「その互いが非密着関係にある」というような領域ではない。あくまでその外と「安全に」切り離されているような領域だということを意味する。

このような性質を満たす領域のあつまりは位相構造を表すはず。結局、位相構造というのは「近さ」とか「隣接」のモデルではなくて、その根本にある「分離性(非密着性)」、「点の空間的な個体性」のモデルなんだなあ。でも確かにネットワークトポロジーにおいても、何が重要かっていうとノードとノードの隣接性よりは、その2つのノードが密着したものではないということな気もするな。ノードのアイデンティティというか。

そして確かに、この領域というのは開集合的。とくに連続した空間を考えたときに、その境界というのはどうしてもすぐ傍に密着した点をもちうる。となると、境界をもたない集合でないと非密着な集合をつくるのは難しいように直観的に感じる。