ゆくゆくは有へと

おかゆ/彼ノ∅有生 の雑記

アルヒトの手記 #000-イス

※ 何気ない散文系の翻訳材料を目指して書いた。
※ プロトタイプなので、指摘があるたびにコロコロ細かく文面が変わるかも。なので、訳すときは念のため原文もコピペしておいてください。
※ 翻訳するときはURL引用しておいてください。
※ 適当にナンバリングして「アルヒトの手記」シリーズを作っていっていいですよ!

長年使っていた椅子が壊れてしまった。軽くて丈夫で扱いやすかったので重宝していたが、少し乱暴に扱ってもいたし、今まで私の身体を支えてくれたことに改めて感謝した。

とはいえ、私の生活に椅子がないのは大変不便であったので、似たような椅子を買おうと思い、翌日隣町まで赴いた。いつもは近くの家具屋で適当に見繕うのだが、以前友人から聞いた店の話を思い出し、そこに行ってみようと思ったのだった。

その店の外装は綺麗と言えるものではなかったが、その中は案外片付いていた。どこかで嗅いだことのあるような、安心する匂いがした。店主に椅子を探していることを伝えると、まさに私好みの椅子を持ってきてくれた。どうして私の好みが分かったんですかと尋ねると、店主は自慢げに笑いながら「こんなボロい店が何も無しに続くわけなかろう」と答えた。

結局、その椅子を買って帰った。玄関を開けると、壊れた椅子が壁にもたれて待っていた。長年の友と別れるのが惜しくて、しばらくの間そのままにしておくことにした。元々狭い部屋がより一層狭くなってしまった。物が捨てられないのは私の悪い癖だが、今回については誰も責めてくれないでほしい。